2013年6月20日木曜日

ごぼう争議解決パーティー


 「ごぼう解決報告パーティ」
          ──被ばく労働者の要求とは何か

ゲスト:弓場清孝さん(元原発労働者)/桐島瞬さん(ジャーナリスト)/北島教行さん(イチエフ作業員、除染作業員)/ごぼうさん(元福島第一原発収束作業員)

日時:77日(日)13:30開場、13:4518:30
場所:大久保地域センター(和室) 新宿区大久保2丁目12-7
        (山手線・新大久保駅から大久保通りを明治通りに向けて徒歩5
主催:ごぼう支援協議会
◆参加費300


お世話になっています、ごぼう支援協です。

福島第一原発事故の収束作業で起こった労働案件へのご協力を呼び掛けさせて頂いた集まりです。多岐にわたる皆様のご協力のもと、この度、ごぼうさんの案件については、直接の雇用関係のある下請け会社と、業務指示をだしていた元請会社に対する交渉を、解決することができました。

どうもありがとうございました。

もちろんこの「解決」で収束作業や除染作業を含む「被ばく労働問題」が「解決」したわけではありません。しかし、いち収束作業員の取り組みから始まった労働問題の「解決」は、わずかではあるかもしれないけれどけれども、次への確実な一歩であることに違いありません。

私たちは、この案件への取り組みを通じて、原発の収束作業をはじめとした被ばく労働が、労働者の使い捨てを可能にする重層的な下請け構造に支えられていること、その中で多くの人々が無駄に被ばくさせられていることを知りました。とりわけ、政府が福島第一原発の事故を「収束」したものと扱っていることは、現在と将来にわたって作業員の労働・健康状態に深刻な影響を与えています。
その醜悪さや恐ろしさには、みんなが気付きはじめています。でもいまだそのことは、明確に言葉に表されていません。3.11以降、活発に展開されている反原発運動に「被ばく労働」問題がはっきりと位置を占めずにいるのは、何よりもこの社会への要求の言葉を私たちが手にしていないためです。

だから私たちは、

・収束というウソをつくな!
・使い捨てをやめろ!
・無駄な被ばくをさせるな!

という3つのスローガン、ごぼう案件への取り組みから見えてきた、これらの言葉を軸に、被ばく労働者の社会への要求を明確にし、それを掲げたデモを実行しようと考えています。そのために被ばく労働の環境から求められること、そしてそれを追求するために必要な言葉について、この集まりで話そうと思います。

上記の、日時場所にて、ごぼう案件の報告パーティを呼びかけます。ですからこのパーティは単なるパーティではありません。被ばく労働にたずさわるゲストを迎えるこの集まりが、被ばく労働の現実と、解決に向けた取り組みを共有し、この社会への要求を紡ぐきっかけとなることを私たちは望んでいます。さらに、この時間をともに過ごす人々の中から、被ばく労働者デモの実行委員会が立ち現れることを期待しています

被ばく労働の環境に興味があるが、何をしていいかわからない方、当日は座敷で案件報告パーティを兼ねてやりますので、ぜひご参加ください。


連絡先:〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F
     フリーター全般労働組合 気付『ごぼう支援協議会』
        電 話:03-3373-0180/FAX:03-3373-0184
        twitter: @haikigobou
        mailto: hibakusyaberuあっとgmail.com

2013年5月31日金曜日

国連人権理事会のアナンド・グローバー勧告と日本政府の回答

先日、国連人権理事会の特別報告者であるアナンド・グローバー氏による報告・勧告が出され、それに対する日本政府の回答が示された。

グローバー氏は、昨年11月に来日し、原発事故後の日本の人権状況について調査し、その際にはごぼうさんもインタビューに応じている。


グローバー氏の勧告の中で、原発労働者に関する記述は以下である。

「77. 原発事故の影響を受けた人々に対する健康調査について、特別報告者は日本政府に対し以下の勧告を実施するよう求める。

(k)原発労働者に対し、健康影響調査を実施し、必要な治療を行うこと」


…グローバー勧告はかなりざっくりしているのだが、これに対して日本政府は、

「原発労働者など被曝を伴う労働に常時従事する者については、関連規則によって6ヶ月ごとに健康診断を行うことを使用者に義務づけている。健康診断の結果に基づき、必要な治療が提供される。
 加えて、福島第一原子力発電所において被曝放射線量の限度が250ミリシーベルトに引き上げられた緊急作業期間(2011年3月14日から2011年12月16日)に緊急作業に従事した労働者に対しては、政府指針に基づいて追加的検査が行われる。厚生労働省はこれら労働者の健康診断の結果を収集、データベースに記録している。追加的検査の結果に基づき、必要な治療が行われる。」との回答を示している。

(以上、原文はhttp://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/HRCouncil/RegularSession/Session23/A.HRC.23.41.Add.5_Rev.1_ENG.pdf)


2013年5月10日金曜日

原子力企業は下請け作業員に向き合え


*フリーター労組ブログより転載します*


偽装請負とは何か。

雇用関係を結ばない労働者を指揮命令下に置いて働かせることを「偽装請負」という。
これは企業にとってすごくおいしい。
人が不要になったら下請け企業との契約を切ればいい。それで使用している作業員への雇用責任を果たさずに済む。
作業員の安全衛生管理の責任も下請けに丸投げできる。
だから「偽装請負」は、職業安定法44条で禁止されている。違反すれば1年以下の懲役または百万円以下の罰金だ。

原子力企業は、下請け企業の従業員であるごぼうさんに、具体的な業務指示を出して働かせてきた。
なのに原子力企業はごぼうさんとの雇用関係を認めず、いっさいの責任を取ろうとしない。
フリーター全般労働組合はごぼうさんの雇用・労働問題を議題にした団体交渉を原子力企業に求めてきたが、昨年来の申入れはいっさい拒否され続けている。

作業を過小評価するな

原子力企業は作業員の業務を徹底的に過小評価している。

「発電所内で作業する者らに対する、いわば後方支援や補助のための簡便な作業」


これが元請け企業側の言う収束作業員の業務である。発電所内で作業し、事故以前の放射線管理員が2年間で被ばくする線量を1カ月で浴びる仕事。公務員であれば人事院勧告に従い危険手当の支給対象となる作業である。これを「後方支援や補助のための簡便な作業」と企業側は描き出し、作業を徹底的に過小評価している。

【扉開閉操作】
「入口内扉、外扉に1名ずつが配備され、それらが同時に解放しないように、作業員が手で合図を送り、内、外扉の開閉をするというもの」


実際はそんな単純なものじゃあない。
放射性物質が流入しないように細心の注意を払いながら、かつ元請け社員の判断でひんぱんに変更になる作業方法に合わせなければならない。そのため、作業員は複雑な対応を迫られる。

たとえば多い時で週に5、6組の外部視察が入る第三工区を担当する際の扉開閉操作はとても複雑だ。

例をあげよう。
ある作業員が第三工区の内ドア管理をしていた時に、VIP(調査に訪れる人々や東京電力の社員を現場の作業員はこう呼んでいた)が来訪した。そのときの対応が、元請けから「不十分である」とみなされたことがあった。外ドアの管理していた下請け企業の作業員が、そのVIPの対応をしなかったのだ。

なぜしなかったのか。
単純な話だ。その人は自分の仕事である外ドアの管理をしていたからである。

ところがこれを見た元請け企業の統括責任者は激昂した。

「なにあいつ、ぼーっとつっ立ってんだよ、これだから×社は常識知らねえな」

その作業員は「外ドアの管理がありますから」と答えた。

すると統括責任者は

「ドアの鍵を閉めてVIP対応すりゃいいだろ」

と怒鳴りつけ、その場で仕事のやり方を変えてしまったのである。

作業員は自分の会社の従業員のみならず、第三工区の扉開閉操作に携わる他社の作業員にもその旨を伝え、それ以降は、外ドアの管理をしている作業員も、VIPへの対応をすることになった。

また、専用の装備をつけないVIPに対し、他の作業員が注意を促したことがあった。
ところが全面マスクをしているVIPには音が聞こえない。そのため、その作業員はVIPの身体に触れて注意を促した。それを見た元請け企業の統括責任者は内ドアの開閉をしていた作業員を呼びつけ、

「おいおい、あいつ何ひっぱんてんだよ」

と吐き捨てるように言った。

作業員が「あの人が間違った装備だったので呼び止めたんじゃないですか」と答えると、統括責任者は

「また×社かよ、なってねえな。あいつ誰!」

とわざとらしく聞こえるように舌打ちし、×社の社員を呼び止め連帯責任をちらつかせ詰問したのである。

このため作業員は以降、VIPには触れないように、他の作業員に周知することになった。

さらに、到着したVIPごとに順次、装備をチェックして外部屋に送り出すことになっていたそれまでのやり方が、元請け統括責任者の指示によりとつぜん変更された。VIPを順次送り出すことをやめ、VIPが全員そろうまで内部屋で待機させ、そろってから外部屋に送り出すようになったのである。

一方、直勤務シフトの際には、作業員は第一工区、第二工区の扉開閉操作に従事した。この仕事を元請け企業は、「ドアごとに1人の作業員が配置されている」と説明しているが、実態はまったく違う。

例えば第二工区には、内、中、外と3つの扉があり、時間帯によっては扉開閉操作に2名の作業員しか配置されない。特に、東京電力がサーベイ時間の短縮を求めるようになってからは、内ドアの開閉作業は、サーベイ業務と兼ねることになった。

また、外ドアもしくは中ドアの担当者は、ゴミ捨ての業務にも従事していた。内ドアの担当者がサーベイ業務に従事しているときに、中ドアの担当者は、内、中、外の3つの扉を管理しなければならなかった。

第一工区の場合、時間帯によっては内、外2つのドアを一人で管理しなければならない。元請けの社員が同じ工区にいる時には、これらの業務をいつ、どのようにこなすのかは、元請の社員の指示に従っていた。

このように、会社側の説明とは異なり、扉開閉操作は、時間帯、状況に応じて業務内容がかわる複雑な作業であり、元請け企業の社員の指示に従って行われるものであった。

【脱衣補助】
「発電所内作業員がビニール製保護衣を脱ぐ場合に、背中の部分にハサミを入れて脱ぎやすくするもの」


これもずいぶんと単純化している。

「ビニール製保護衣」とあるが、カッパとアノラック(汚染水処理や建屋内などの高汚染区域での作業に従事する作業員が、タイベックの上に着用する保護衣であり、極めて汚染量が高いもの)のことである。
ハサミを入れるのも背中だけではない。背中、フード部、ならびに両脚の外側部分の3か所であり、作業は「脱ぎやすくする」のみならず、汚染を広げないよう慎重に脱がし、回収し、廃棄することまで含む。また、タイベックの両袖、両足首、およびフード部分にされた目留テープをはがす作業も含まれる。

【装備回収】
「発電所内作業員が脱いだ靴下や靴カバー、タイベック等の装備品を回収して、廃棄すること」


回収する装備はこれだけではない。元請け企業が列挙するものに加え、軍手、綿手袋、ゴム手袋がある。また、作業で生じた様々なゴミの回収、廃棄も行なっていた。これらは、いずれも放射性物質に汚染されたものである。

【スクリーニングサーベイ】
「発電所内の現場から戻ってきた作業員の身体及び携行品に放射性物質が付着していないかを、二人一組になって、専用の器具(GM管)で測定するというもの」


ちょっと待ってほしい。
実際は、二人一組の作業ではない。
時間帯によっては一人しか配置されず、前述したように、ドア開閉操作を担当する者が兼務して従事しなければならなかった業務である。

作業員は従事していたのに、元請け企業が認めていない業務もある。「連続ダストフィルターの管理」「元請け企業社用車の運転」「精密機械の搬入」などだ。それが例外的ではなく、日常的に行われていたことは、下請け企業が組合との団体交渉で認めていることだ。

【精密機械の搬入】「なし」


これは事実と異なる

作業員は「精密機器」というラベルが貼ってある、黒い合成樹脂性のトランク。奥行20センチ、幅70~80センチ、高さ60センチくらいの大きさ。黄色で文字が書いてあるものを、直勤務、日勤時の9時~10時の搬入・搬出時、月に一度くらいの頻度で、下着の搬入・搬出時に行っている。あれが「精密機械」でないのなら、中には何が入っていたというのか。

>>
【元請け企業社用車の運転】「交代勤務者の移動の便宜のため」


これだとあたかも元請け企業が下請け作業員の便宜を図って車を出していたかのようだ。では、なぜ元請け企業社員は何もいわずにいきなり助手席に座るのか。元請けと下請けの社員が同じチームに入れられたら、下請けは元請けに便宜を図って運転するしかない。

だいたい直勤務の先発シフトの帰りでは、フクイチに元請け企業社員が残らなければならないから、元請け企業の社員は車をジェイヴィレッジに戻すことができない。じゃあだれが元請け企業社用車をジェイヴィレッジの所定の場所に戻していたのか。下請け会社の作業員じゃないか。

元請け企業は車両の運転を作業員が「あることもあったという程度のもの」と過少に評価している。でも事実は違う。車は「元請け企業社員が運転することもあったという程度のこと」であって、下請け作業員の仕事とされていたのである。

元請け企業の指揮命令

元請け企業は以上のような作業員の業務について、
指示は行なっていない、行ったとしても緊急時に例外的に行ったに過ぎない、と主張している。


だが、作業員は、出入管理業務全体、とりわけ第二工区、第三工区については元請け企業従業員である統括責任者からの、第一工区及び資材搬入・搬出については別の同社従業員からの指示・監督を受けて働いていた。
直勤務の時に作業員が所属していた班の担当は元請け企業の社員であったし、日勤の場合は第三工区に元請け企業の社員らが配属されて、作業員をはじめとする下請け企業の従業員に指示を与えていた。
出入り管理業務はシフト制で行われており、仕事の現場に下請会社の責任者は基本的に不在である。だから、下請け企業の従業員は、その場にいる元請け企業社員の指示・命令を受けることになっていた。
元請け企業社は、作業員に日々、恒常的に、逐一、直接指示・監督していた。これはミーティングの実施によっても明らかである。作業員は直勤務の際は、毎日ジェイヴィレッジ内と免震重要棟併設プレハブ内の2回、9月からは日勤の際にも、免震重要棟併設プレハブ内の1回、持ち場に着く前にかならず元請け企業社社員の指示を確認するためのミーティングに参加していた。
作業員が参加したジェイヴィレッジ内でのミーティングは、班のミーティングであった。そこには同じ班に属する下請け企業従業員に加えて元請け企業の社員が参加し、一日の流れを確認して、作業持ち場と先発・後発の確認、運転担当決めなどをしていた。
免震重要棟併設プレハブ内でのミーティングは、「××ノート」と作業員の間では呼ばれていた元請け企業からの指示・連絡ノートをもとにして行われる。そこには統括責任者ら元請け企業の現場責任者が出席していた。作業員をはじめとする下請け企業従業員は、そこで当日の作業の引き継ぎ、変更事項や注意、VIP来訪の有無や対応の仕方などを元請け企業から指示されていた。
元請け企業は作業員の業務を包括的かつ具体的に管理する権限を持ちつつ、作業員に指示・命令をしていた。
監督する立場の元請け企業社員がいる場合には、元請け企業社員の許可を得てからでなければ休憩時間に入ることもなかった。VIP用の黄色の靴をサイズごとに必要数だけ用意する業務があるのだが、不足したサイズの靴をどう用意すればいいのかについて元請け企業社員の指示を仰いだこともある。
だいたい、その日の作業は「××ノート」を確認しなければわからない。
ところがこれらの実態を無視して、元請け企業は危険性を伴う緊急の事態にのみ作業を指示しただけであると主張している。だが、そんな言い訳は成り立たない。元請け企業が「緊急の事態」と言っていることはフクイチでは日々繰り返されていることだ。元請け企業はタイベック着脱場所の床が水分で濡れている状態を緊急事態の例に挙げているが、現場ではそれは日常である。
放射性物質汚染やその拡大の危険性が伴う状態が日常的であったのに対して、当該現場で作業員が×社の班長と同じ持ち場で作業することは通常はなかった。
また、班の中で先発・後発に分かれて作業をするので、仮に×社の班長が班に所属していても、作業員は班長とかならずしも同じ持ち場を担当する訳ではない。したがって、床の水のふき取りなどの作業も、元請け企業社員の指示・命令の下に行っていたのである。
作業員が従事していた業務においては、安全確保が必要とされる事態が作業の常態であり、持ち場での下請会社責任者の不在も常態であった。したがって、元請け企業の社員が作業員をはじめとする下請け業者の従業員に対処作業を求め、作業態様につき言及するのも通常のことである。元請け企業は恒常的に、作業員の作業内容や態様を一方的に支配、決定するためになされた業務指示をしていたのである。







だから作業員は作業の進め方について分からないことや確認しなければならないことがあればかならず、元請け企業社員に質問をしていた。
汚染拡大防止や安全配慮の観点からの指示を確認するための質問はもちろん、元請け企業社員に聞くしかない。でもそれだけではなく、具体的な業務の指示そのものが、ミーティングだけでなくその都度、現場で元請け企業社員からなされていたのである。そのため作業の進め方や内容が不明確な場合、その場を監督する元請け企業社員に質問するのが当然のことだった。

これらはもちろん、汚染拡大防止や安全配慮とは無関係の具体的な業務指示の一例に過ぎない。

ミーティングの場に、下請会社の現場責任者が出席しているとは限らない。したがって、具体的な作業についての指示は、現場を監督する元請け企業の社員から受けることになっていた。元請け企業の関わりは補足的なものではないのである。
2012年4月以降、日勤勤務となってからも、第二工区の元請け企業社員らの指示を受け、わからないことがあれば元請け企業社員に質問をしながら作業に従事していた。したがって、元請け企業社作業員の作業内容を一方的に決定する立場にあり、そうしていたのだから、作業員に業務指示をしていたのである。


たとえば直勤務において作業員が所属していたD班は、2012年3月までは、元請け企業社員2名、×社と他の下請け会社の作業員7名で構成され、指揮命令は、元請け企業の2名の社員のいずれかからなされていた。


厚生労働省の「偽装請負の基準」に照らして

厚生労働省は「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示(37号告示)」において、請負事業の条件を具体的に示している。「37号告示に関する疑義応答集(厚生労働省)」は、以下のような事例については偽装請負にあたるとしている。

「発注者が直接、請負労働者に作業工程の変更を指示したり、欠陥商品の再製作を指示したりした場合(2.発注者からの注文)」


これは作業員が従事していた「VIP対応」や「下着回収」がよい例だ。
なお厚生労働省は同基準において

「管理責任者が休暇等で不在にすることが有る場合には、代理の者を選任しておき、管理責任者の代わりに権限を行使できるようにしておけば特に問題はありません」


としている。

だが、同時に

「ただし、管理責任者が作業者を兼任しているために、当該作業の都合で事実上は請負労働者の管理等が出来ないのであれば、管理責任者とは言えず、偽装請負と判断される(4.管理責任者の兼任)」


と明確に述べている。

この件では、まさに下請会社の管理責任者は作業者を兼任している。そのため事実上作業員の管理等ができない。

「発注者と請負事業者の作業内容に連続性がある場合であって、それぞれの作業スペースが物理的に区分されていないことや、それぞれの労働者が混在していることが原因で、発注者が請負労働者に対し、業務の遂行方法に必然的に直接指示を行ってしまう場合は、偽装請負と判断される(5.発注者の労働者と請負労働者の混在)」


これはまさにそうである。作業員が所属していた班は、発注者である元請け企業の社員と、作業員を含む下請会社の作業員が同じ場所で作業することを前提に構成されていた。そのような班構成で作業をするのだから、作業現場ではとうぜん発注者である元請け企業の指揮命令下で働かざるを得ない。

「工場の中間ラインのひとつを請け負っている場合で、一定期間において処理すべき業務の内容や量が予め決まっておらず、他の中間ラインの影響によって請負事業主が作業する中間ラインの作業開始時間と、終了時間が実質的に定まってしまう場合など、請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っているとはみなせないときは、偽装請負と判断される(6.中間ラインで作業する場合の取扱)」

これも作業員の件に当てはまる。

たとえばサーベイ作業は他の作業との関係でしか作業時間を決められない。他の作業の進行によってサーベイ作業の進行は決まってしまうのである。だから下請け企業が自らの業務の遂行に関する指示その他の管理を行なえるわけではない。

「発注者が請負業務の作業工程に関して、仕事の順序・方法などの指示を行ったり、請負労働者の配置、請負労働者一人ひとりへの仕事の割付等を決定したりすることは、請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っていないので、偽装請負と判断される」「こうした指示は口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して文書等で詳細に示し、そのとおりに請負事業主が作業を行っている場合も、発注者による指示その他の管理を行わせていると判断され、偽装請負と判断される(7.作業工程の指示)」


まさにこれが作業員の経験してた日常である。
これまでも述べてきたように、VIP対応など個々の作業のやり方やその変更は統括責任者から指示されていた。またマスク交換のやり方についていきなり統括責任者が「立ってろ!」と作業員を罵倒したこともあった。日常的に作業者証はかならず元請け企業が管理し、「言われる前に動け」との指示も元請け企業社員からされていたのである。

「製品や作業の完成を目的として業務を受発注しているのではなく、業務を処理するために費やす労働力(労働者の人数)に関して受発注を行い、投入した労働力の単価を基に請負料金を精算している場合は、発注者に対して単なる労働力の提供を行われているにすぎず、その場合には偽装請負と判断される(8.発注量が変動する場合の取扱)」


これも問題だ。元請け企業は「明日の人数を減らして」と指示を出し、それを受けて作業員が勤務を減らしたことがある。成果物の納入ではなく、労働力の提供を求められていたのが実態だ。

「請負労働者に対して発注者が直接作業服の指示を行ったり、請負事業主を通じた関与を行ったりすることは、請負事業主が自己の労働者の服務上の規律に関する指示その他の管理を自ら行っていないこととなり、偽装請負と判断される(9.請負労働者の作業服)」


元請け企業からの作業服の指示もある。
放射線防護衣である「タイベック」にはいくつかの種類があるのだが、それを高価な「デュポン」から安価な「3М」に変更するように指示したのは元請け企業の統括責任者だ。それ以降、元請け企業傘下の下請けのタイベックは「3M」に変更されてしまった。

「請負業務の内容等については、日常的に軽微な変更が発生することも予想されますが、その場合に直接発注者から請負労働者に対して、変更指示をすることは偽装請負にあたる(11.請負業務の内容が変更した場合の技術指導)」


下着回収、サーベイ対応、VIP対応、GM管の使い方、待機の扱いの変更などなど、どれもこれも元請け企業からの指示だ。したがって会社と下請会社間の請負契約は単なる形式であって、その実態は偽装請負として評価されるべきものである。

2013年4月24日水曜日

『週刊SPA!』にごぼうさんが掲載されています。

収束作業員の桐島瞬さん、東電ジョージさんとごぼうさんの座談が『週刊SPA!2013年4月30日・5月7日合併号にて掲載されました。また、同じく収束作業員のハッピーさんも単独インタビューにて深刻な収束現場の実状を克明に告発しています。是非ご覧になってください。また、誌面には載らなかった記事も『日刊SPA!』の記事「原発事故収束を担う被曝労働者の『劣悪な環境』」にて増山麗奈/志葉玲記者によって詳細が報じられています。被ばく労働を考えるネットワークのなすびさん、阪南中央病院副院長の村田先生からの被ばく労動の非人道性についての告発もあり、かなり濃厚で硬派な内容です。是非こちらも読んで下さい。(さ)

2013年4月23日火曜日

無数のGたちへ

私たちは「非正規、不安定、低収入」の仕事で働く者たちです。
毎日のように違う場所で、違う人たちと、違う仕事をさせられている。
ばらばらに働き、ばらばらに生きる人間たちです。

本当は「毎日」仕事なんてない。
どこに行っても名前も聞かれず、隣の人の顔も見ない。
自分が何をやっているのかさえ、よく分からない。
指示するのも似たような契約社員たち。
私たちをデジタルに雇い、使い棄てるのが実は誰なのか、まるで雲の上。
そんな労働に私たちは「汚染」されている。

友人のGさんは、私たちが生きるそんな境遇の「極点」にいる一人です。
彼は福島第1原子力発電所の放射線管理業務で働いていました。
通勤と待機を含め1日13時間も拘束されて、日給たった1万円。
月に手取り16万なんぼ。残業代は涙金。危険手当も払われず、帰省する金もない。
体の中に被ばく線量シーベルトだけが毎日毎日溜まっていく。
そして、いきなり解雇されました(詳細は以下)。

安達太良山の裾野で浴びたGさんの「放射能汚染」と、首都圏で働く私たちの
「労働汚染」は繋がっている、なにか恐ろしい径路で。
この直感から私たちは動き出しました。

それでも私たちは自分自身を「肯定」したい。
そして、無数のGさんとともにGさんを支えたい。
そうした具体的な「闘い」を創り出していきたいと考えています。
                   (ごぼう支援協議会)

2013年3月16日土曜日

ごぼう支援協議会呼びかけ文

福島第一原発収束作業員の、人間の尊厳をかけた闘いに広範な支援を!

▼支援をよびかけます!
福島第一原子力発電所の収束作業、そして今や多くの人が望むところである「廃炉」を遂行するには、これまで以上の膨大な被曝労働が必要となるのは、いうまでもありません。「いま、この瞬間にも」作業員は劣悪な環境で働いています。「廃炉」や「事故収束作業」は、当然にも作業員の生活と生命をまもったうえで行われなければなりません。
私たちは、作業員が直面する労働問題を自分の社会に直結する問題と捉え、支援していきます。ごぼうさんがはじめた闘いを支援し、勝利しましょう。

2013年3月15日金曜日

福島第一原発作業員の半数が偽装請負、経済産業省が認識
3月12日の朝日新聞が報じるところによれば、福島第一原発で働く作業員の半数が、東電実施のアンケートに対し「作業指示している会社と給料を支給している会社が異なる」と回答していることがわかった。つまり偽装請負である。

これまで収束作業員の「不足は生じない見込み」としてきた経済産業省は、これを受けて作業の工程表の見直しを行うことになったとか。違法な「偽装請負」状態が横行し、適法な作業員だけでは収束作業が成立しないことが判明したためだ。

経済産業省が偽装請負の実態を認めたことになる。労基署は動かないのか。

ごぼうさんの件でも、ごぼうさんは下請会社から給料が支払われていたが、元請会社の社員から直接業務に関わる指示が出されていた。(し)


記事の参照はここから

2013年3月14日木曜日

偽装請負ってそもそもナニ?

厚生労働省のホームページでは、以下のように説明されています。

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*「偽装請負」とは・・・
書類上、形式的には請負(委託)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを言い、違法です。

* 請負と労働者派遣の違いは・・・
請負とは、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法)」ですが、派遣との違いは、発注者と受託者の労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントです。

* 労働者の方から見ると・・・
自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合「偽装請負」である可能性が高いと言えるでしょう。

*「偽装請負」は・・・
労働者派遣法等に定められた派遣元(受託者)・派遣先(発注者)の様々な責任が曖昧になり、労働者の雇用や安全衛生面など基本的な労働条件が十分に確保されないという事が起こりがちです。

偽装請負の代表的なパターン

<代表型>
請負と言いながら、発注者が業務の細かい指示を労働者に出したり、出退勤・勤務時間の管理を行ったりしています。偽装請負によく見られるパターンです。

<形式だけ責任者型>
現場には形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じです。単純な業務に多いパターンです。

<使用者不明型>
業者Aが業者Bに仕事を発注し、Bは別の業者Cに請けた仕事をそのまま出します。Cに雇用されている労働者がAの現場に行って、ABの指示によって仕事をします。一体誰に雇われているのかよく分からないというパターンです。

<一人請負型>
実態として、業者Aから業者Bで働くように労働者を斡旋します。ところが、Bはその労働者と労働契約は結ばず、個人事業主として請負契約を結び業務の指示、命令をして働かせるというパターンです。

2013年3月13日水曜日

3月9日@明治公園&3月10日@日比谷公園にて情宣

3月9日明治公園の「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」に行って来ました。主催者の発表では、1万5千人が集まったとか。
我々は関西大弾圧の東京救援会の方々のブースを間借りし、チラシを配ったりマイクでアピールなどしてきました。
大変にお日柄もよく、一気に日焼けしました。
となりのテントでは、グリーンピースの人々が「原発にもメーカー責任を」の活動をしてたんで、個人的に署名してきました。ついでに原発労働者とごぼう案件のことを説明したら、「企業の責任を問うということでお互い頑張りましょう。」と声をかけてくれました。

翌3月10日には、日比谷公園で行われた「0310★原発ゼロ大行動」へ。
日比谷公園霞門に集合した一同は、なぜかそのまま霞門に居座り続け情宣に突入。
集会のスタッフと間違えられたりしつつも、用意したチラシはあっという間になくなってしまいました。
図らずも(?)デモ隊の公園出発地点での情宣だったため、人々からも公安警察からも大注目な中でアピールできました。
黄砂も飛来する中、プラカードやチラシに興味をもってくれた人が、さらに詳しい説明を聞きにきてくれました。耳を傾けてくれた人が、周囲の人に被曝労働について思いを広めてくれたら本望です。

この日、カンパもたくさん集まりました。感謝。(し)

2013年2月28日木曜日



「危険手当」とは?

東電が元請会社に支払ったと言い、ごぼうさん本人が受け取っていない「危険手当」。

「危険手当」とは、そもそも一体なんなのか。危険な業務に従事しているのだから、その対価として支払われているのであろうということは字面からも推測がつくが、公務員の賃金を定めている人事院規則というやつが、その基礎的根拠になっているらしい。

昨年9月19日に最終改訂がなされた、「人事院規則九-一二九 東日本大震災に対処するための人事院規則九-三〇(特殊勤務手当)の特例」というのがある。

第二条で、「職員が次に掲げる作業に従事したときは、災害応急作業等手当を支給する。」とあり、その一つ目が「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の敷地内において行う作業」である。 

「福島原発の敷地内及びその周辺の区域で業務を行う職員については、被ばくの危険性、それに伴う精神的労苦等の特殊性が認められます」とあり、これによれば一番危険な原子炉建屋内で4万円であり、ごぼうさんが従事していた免震重要棟外での放射線管理業務は2万円相当の手当の作業に相する。http://www.jinji.go.jp/kisya/1106/tokushu23.pdf

人事院勧告は公務員に適用されるものであるが、民間労働者の賃金や手当についても「社会的規範」としての力をもつ
東京電力資材部とごぼうさんの交渉の中で明らかになったのは、東電と元請企業は「危険手当」に相当する割増しを含めた契約を結んでおり、人事院勧告も参考にした上で、危険作業従事に関する適正賃金を決めているということだ。 (し)



テロ対策の原発警備強化で予算増!?国は原発労働者への補償を強化せよ! 

2月14日付の東京新聞は、警察庁が新年度予算案に、全国の原発と原子力関連施設の警備体制強化費用として本年度の4倍以上にあたる17億5千万円の関連予算を盛り込んだことを報じている。その根拠には、イスラム過激派によるテロの脅威や、北朝鮮の挑発行為があるそうだ。具体的な使途としては、全国型22箇所の原発と関連施設に常駐の銃器対策部隊の増員および装備強化である。

仮にも原発を標的としたテロがあったとして、260人の銃器対策部隊の増員や、防弾車両や防弾チョッキ、マシンガンを増強したところで、何になるというのだろう。テロだなんだを理由に金を得ようとするのは警視庁の常套手段であるが、そんな金があるならば補償の全く行き届いていない原発労働者にこそ使うべきだ。労災補償、健康管理手帳の交付、労働者の装備強化徹底、労基署の強化・・・少し考えただけでも他にもやることはある。

ところで、被曝労働に関する省庁交渉というものが、原子力情報資料室などいくつかの市民団体が主体となり、定期的に行われている。労働者の健康補償や健康管理手帳などなどの問題について、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、環境省、人事院などの役人と交渉を行う。(詳細はこちらを参照http://www.cnic.jp/4953)直近では、2013年2月21日(木)に衆議院第一議員会館で行われ、その模様はここ http://www.ustream.tv/channel/cnic-news で見ることができるが、詳細は参加してきたごぼう氏の報告を待つ。(し)
船橋駅前ビラまき報告

去る2月24日(日)小出裕章氏が船橋勤労市民センターで3.11以降の検証を行う講演会があるということで、「ごぼう支援協メンバー」とフリーター労組の仲間総勢5名でゴボウ支援協のビラをまき情宣を行いました。私(ういす)が船橋駅に着くと、3人組の女性グループが、AKBとかパフュームのコピーを熱唱しており、ファンの男性たちがたちが声援を送っていました。船橋は、さながら秋葉を思わせる小秋葉、船橋でしたね。


街頭では、別に反原発を訴える青年グループがおり、私たちはやむなく北口中央から脇にそれトラメガを使いビラを配りました。原発の収束作業は危険が伴う労働だけど、誰かがそれを担わなければならないこと、この地にある差別構造が大きくかかわっていることなどを訴えました。他に船橋駅前には飲食店などたくさんありますが、労働者の使い捨ての一切を許さないのだという声を高らかにあげました。ビラは何枚でしょう、300~750枚ぐらいは、まけたのでしょうか?最後は、ういす、ごぼうで講演会の会場に行きビラをまきました。小出さんが講演会で被爆労働の話をしており、「あれだ、あれだ」と、言いながらビラを受け取ってくれる人もおり、多くのビラがはけました。


個人的には、むかし足立三反の会(反戦、反差別、反核を闘う足立市民の会)ー反核というところに注目。やたらにゴリゴリしたネーミングですが、ゴーボー支援協的にはキャッチーな名前ですよねーでお世話になった方が講演会参加のため通りかかり、「君、こういうとこにも遠征するのか」と言われましたが、私としては「たまたまです」とも言えず「はい!」と力強く答えた次第であります。


こうした古くからのあるいは新しい出会いが生まれる地域情宣継続して行っていきましょう。次回から
は音、絵画調プラカード、芸術調弾幕、詩的マイクアピール等々、別の空間を開くような、ことも考えましょうね。 (ういす)

2013年2月21日木曜日

ごぼうさんの気持ち


ごぼうさんの気持ち

生活保護申請者への原発の仕事があるじゃないとの窓口での返答が新聞で取り上げられてたが、前からある話だし実際に生活保護が嫌だと原発に働きに行っている人間もたくさんいる。

俺が福島にいるときに会った人達の中にも働きたい、支払いがある、家族を養わなきゃいけない、地元に仕事がない、もともと原発が身近にあってそこで働くのは特別な事じゃない人達。

ピン跳ねされてても、それでも日雇いや今までの安月給の仕事よりは収入になるとか。基地建設が始まれば戻れるとか。逆においしい、儲けられるという人間。いろいろいたし、もっともっといろんな人がいるだろう。

俺は今まで屋根や仕事求めて転々としてきた、のっぺらぼうのあなた達が言う仕事を選ばなければという話は聞きあきたし、そのあげく経営者の都合でさんざん働かされて体壊したり死んでしまったり、人手が要らなくなったらポイと捨てられたり中年となって消えたり、行き場が無くなったりもがきながらも、そこにしがみついて働いてる人と肌で触れながらそれを体現しながら生きてきた。

だからこそ、それをちゃんと話しても、うけいれず今を見ない人間の自慢話は沢山と思いながら適当にありがたい話を聴かせてもらってます。

今まで体一つで働いて金を国におさめてきたんだから、生活保護を年金や医療費の補助のように一時利用して住所を作りそこから長く安定して働くための今の時代にあった土台作りや将来設計をたて、そのあと保護を打ち切り税金やいろんな金を国におさめて同じような人の為にも返したいと伝えてもお上の言ってる事に盲目で原則的な人間にはワガママやごね得としか映らず、普通じゃないお子様を刑務所みたいなその場しのぎの就労支援施設に入れて更正させて立派な社会人にしてあげようと、多幸感満載の眼輝かせて強制指導してくださる。

俺は心の中で、さんざん汚れ仕事押し付けてきたあげく俺を使ってみたされてんなよと軽蔑してますよ。

ぶっちゃけ俺もそんな充たされた福祉野郎だったし、めぐまれた人間だった。

ほんの少しハードな環境に入っただけで、ねをあげるお坊っちゃんだ。

産まれた時からそんな環境にいた人の代弁は出来ないから俺の視点で伝えさせてもらいます。

俺は今、福島第一原発の収束作業の仕事の中で自分が正社員で働いていた一次下請けの会社に今年の3月までは確実に仕事があると言われていたが去年10月頭に急遽福島事業所撤退につき全員解雇と言われ11月頭に首になって解雇撤回や作業内容やそれにともなう残業代やなんやらで交渉しています。

ちなみに日給一万。危険手当てなし。それと実際は元請け会社にアゴで使われ指示されてその指揮下で働かされてたり約束以外の仕事させられたりなどなどで、簡単にいうといろんな業界でもみられる偽装請負かな?でいきなり会社ごと更新1ヶ月になって契約貰えなくなって俺たちは捨てられたってわけ。

で、元請け会社にも実際は俺に直接命令してて急に働けなくしたりおかしいから直接俺を雇うべきだと交渉してます。

ちなみに雇用関係にないからと取り合ってもらえないので、都の労働委員会のもと不当労働行為で進めています。

最初に元請け会社に団体交渉の申し入れしたら無視されてたんですが同僚から電話があり、元請け社員から嫌がらせがあったことを知り、やるせないしエグかったっす。

これを聞いた外部の人間から見れば俺のやってる事は言いがかりに思えるし、働くとはそういうもんだという声が出るのはわかるけど、じゃあお前の家庭と家と仕事貰ってやるからてめえが原発で子供の為に働けよとおもうわけですよ。

一緒に頑張って生活してる人が国をあげての復興事業でいいように使われ何も変わらず繰り返されるシステムがおかしいから壊したいんですよ。

なんだよ下請けって?王様気取りでさ。俺も押し付けてきた側だけどさ。

レベルとかバビロンとかシステムとか言ってカッコつけてるガキや、治安や政治がとか経済がとか言って悦に入ってる年寄りどもは本当にこの目の前の社会を良くしたかったら耳を傾けてほしい。

生きる為にどうしようもなくなったらあなたたちがいう悪いこともしますよ。

あなたたちのような、人をくいもんにする悪い事はしませんけどね。

あと俺と同世代の即廃炉と言ってる人たちもね。

廃炉にしても俺達がちゃんと生活出来るように一緒に進めてかないとズレが出てますよ。

廃炉作業があると言うけど弱い立場の者は環境が換わるときには、いいようにされたり。

生活出来なくなったりしがちだと思うから。

あなたが放射線から逃れて生き残りたいように、俺もてめえの為に殺されたくないっすよ、もう少しすりよれませんか?

原発で働いてたと言ったら私達の為にありがとうと言われたり握手されたり芸能人かよっ?て扱いうけて。

誰もあんたの為に働いてないし自分の為だし。

街でうろついてる俺をみかけたらさげすんだ眼で見てきたり安酒持って外にたまってたら警察よんだり追い払ってきたり、野宿の仲間といたら働けって言葉浴びせてきたり、コンビニ店員が酷い環境で助け求めても握手はしないっしょ?

電車乗ろうとしたらインテリ学生が我慢するしかない駅の清掃員をののしって遊んでたり。

ちゃんと働かないで人をバカにして名前すら間違って何回も同じこと聞いてムカつかせてくる役所の人間とのやりとりを聞いていたガードマンがかけてくれたお疲れ様でしたという言葉や、追い出しの威圧的なガードマン、仕事だからと辛そうな顔で追い出しの仕事をする人もガードマンで。

今の日本に働けないなんて事はないと言い張る人とか自分の娘ほどの人を立場利用して無理矢理誘ってるやつや、金払ってるからと悪態ついてるスーツの奴らとにたような俺にも、いろんな人の反応にも戸惑ってますよ。

ののしって満足してるけど、俺は悪いことしたりくだまいてたりもしてるがお前の知らない所でお前の嫌がる仕事で働いてるし、働いてきたし都合のいいときだけ持ち上げて自分の為に利用したり、免罪符につかうなよ。

あんたに利用価値が出来たときだけ俺も一人前の人として認めてやるってさ。ありがとさーん。

大阪の橋下の気持ちが実は何となくわかるんだ、ああなってしまうのが。俺と繋がってると思う。

こんな社会爆発しちまえばいいと99%思ってます。

わずかに1%俺の中での尊厳やわだかまりからのやり返しの為に今は動いてます。

少し前に99%と言ってもりあがっていたがそこにも、1%にもカウントされない人間がこの日本にはまだまだいますよ。

俺は今、医療の事でや宿無しで生活保護受けようと思ってたけど現実とかけ離れた意味のわからないルールに縛り付けて満足してくる事がわかったから考え直してますよ。

野宿のがまだましだって言ってた意味が少しわかった。

何が絆だ復興だ?実際にそれをしてきたら国にも役所にも無視され使い捨てだ。

もらうべきはずだった金を取り返すのもだめでとにかく月数千円?もうちょっと??しか貰えない施設入って仕事見つけて働けってさ、5時起き掃除で、門限夕方4時半でどうしたいの?国をあげての貧困ビジネスじゃん。おじ様、そのスーツの下でテント張ってますよ。

避難基準や住人への補償問題なんかも国をたもつために生活者を無視した政策になってるしね。生活より政治が大事なスーツやお飾りの耳に高そうな何かひっつけてるような奴にしか口は無いよね。なえますよ。

さてしぼんでしまった宿や将来の体への補償などどうしますかな?

納得してるなら被曝労働は立派な仕事だと思ってるけど、無理やり働くしかないように持ってくのは間違ってると思う。

ちゃんとした働く為に安全な環境と将来の保証が必要でしょ?もしあなたが選べるなら働かない方がいいよ。

日々憎しみや、やるせなさとバカにされた分の仕返ししかうかびません。

満足してます?あなたならどう壊しますよ?生活を保つ為にこんな社会を。

俺は弱い立場だけど弱者じゃないし、誰かさんみたいに仲間から奪うような恥じる生き方や仕事は続けたくないんデスヨー。

言いたいように言って下さい。ゴミでもクズでも犯罪者でもこっちは、人を傷つけないように胸はって生きてんだ。

最後まで読んでくれた人、ありがとうございます。

あなたのその目が耳や口になってくれる事を望んでます。

いろいろ思うことあったら、自分の気持ちを一言そえてまわりにとにかくひろげてくれたらうれしいです。

そして一緒になにかしらして変えていきたいって思ったら声かけて下さい。

金を払わなきゃたまる場所もない中、暖とりながら今もひとりマックでこれを書いてます。

自分の事ばかりですいませんがつながりが必要だと思ってます。

一緒に動いてくれてる人にとても助けられ感謝しています。

共にそれぞれの環境を良くしていけたらと思っています。


ごぼうakaバビロンシステムシットのクソガキより

追伸

皆様の協力のおかげで2月頭にアパート借りる事ができました。ありがとうございました。

東京新聞に本事件の記事が掲載されました

『東京新聞』の2月21日付朝刊「こちら特報部」に、ごぼうさんの労働事件が掲載されています。本闘争の掲載記事については東京新聞をご購入の上、御一読くださるようお願い申し上げます。

尚、こちらにて記事内容がご覧いただけます。